2005 / 02 / 25 
欽ちゃん球団は、野球界に革命を起こす?

ちゃんの社会人チーム・茨城ゴールデンゴールズ、ウエルネス魚沼、そして四国アイランドリーグ。「野球を観る選択肢が増える」「プロ野球への道が増える」など、野球界では大歓迎の向きが多い。

しかし、このようなチームの増加は、兼業選手を除けば、プロにも進まず仕事にも就かず、といった若者も増やしかねない。もちろん、野球を辞めた後にどう生きていくかは自己責任だ。だが、元一流プロ選手でさえ引退後に凶悪事件を起こし、スター候補生でさえ堂々とパチンコ屋で喫煙するなど、野球選手が「低脳」ぶりを振りまく昨今。社会問題の温床となって、「野球」自体の評判を落とす可能性だってあることも、考えておかねばなるまい。

ましてや、欽ちゃんの茨城ゴールデンゴールズには、ハッキリ言って存在価値さえ感じず、憤りすら禁じえない。

〜んといってみよう野球だか、ドキド欽ちゃんスピリッツ野球だか何だか知らないが、ドラマチックに逆転するために先取点は取らないと言い、ミスしたら観客席に謝って許してもらってからベンチに下がる。必死に選手がプレーしている傍らで、マイクを握った欽ちゃんが仮装大賞さながらのつまらないトークでおばちゃん達を沸かせば、スタンドからはヘンテコなママさんコーラスも聞こえてくる――。

…確かにユニークかも知れないが、野球ファンの言う「面白い野球」とは、あまりにかけ離れている。彼の言うオモシロさは、単にお笑いの「オモシロさ」に過ぎない。こういう類の「オモシロイ」野球をしたいのなら、芸能人で草野球リーグでも作って、「英語禁止イニング」でも、「夢がモリモリ」でも、何でもバラエティ番組でやりゃあ良いだけの話だ。

だいいち、「逆転することがドラマチック」だと言ったり、極楽とんぼの山本圭壱氏がプレーすることを「野球ファンが求めている野球」だと思っている時点で、すさまじい勘違いである。

もそも、非常に無責任だと思うのが、将来のビジョンやプランが何も無いことだ。

例えば、看板である欽ちゃんが病気か何かで倒れて監督ができなくなったら、このチームは一体どうなるのか。それでなくとも、水物である「笑い」やら「ドラマチック性」ばかりをメインに押し出していては、今後ファンに飽きられてウケなくなる可能性は、相当に高い。思いのほか視聴率が取れず番組を軒並み打ち切られた経験があるクセに、コンティンジェンシー・プランが何もない。

「原則兼業禁止」を掲げたが、実際は兼業選手は多いだろう。だが、進むつもりだった就職先を変えたりして野球を続けようという選手も、多く出現するハズ。そういった若者を預かり、そして社会に返すことに対する覚悟やビジョンがあるようには、どうしても思えない。

そのうえ、女子高生だからと言う理由で全選手のテストが終わらないうちから入団内定を出すわ、タレントやらアナウンサーやらも次々と入団させるわ・・・。ビジョンがないだけでなく、スポーツチームを率いるセンスやフェアさも、カケラも持ち合わせていない。クラブチームを立ち上げるのは、テレビ番組を立ち上げるのとは訳が違うということを、全くわかっていないように見える。

新しさも手伝って、TV界の重鎮が起こした社会人チームを批判するメディアなど、ひとつも見当たらない。思いつきで発足し、全くビジョンがなくても、欽ちゃんだから許されたゴールデンゴールズ。全国で300余しかない社会人チームの貴重な1チームだとは言うものの、対戦相手の宣伝にはなるかな、というくらいの価値しかない。

欽ちゃんのポケットマネーもあるだろうし、スポンサーも優秀なコーチもとりつけ、プロ野球選手も排出するかも知れない。だが、そんなことは問題ではない。こんなチームが露出するたび、日本の野球がどんどんミジメになり、多くの有望選手が日本野球の客寄せパンダとして義性になりかねないことは、忘れてはならない。

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