2006 / 04 / 09
  アメリカがスポーツ大国である理由(1)

ンディ・レーシングリーグ・シリーズ(IRL)が3月26日にマイアミで開幕したが、レース直前の最終練習走行で、ポール・ダナ(30歳)が事故死した。

エド・カーペンターがオーバルコース外側のウォールに激突し、制御不能となってコース内側の走路にふらふらと入ってきたところに、後続のダナが時速280kmで追突。ダナのマシンは2つに割れ、逆さになって宙を舞った(カーペンターは軽傷だったという)。

ダナは今季から、大人気のダニカ・パトリックらを抱えるIRLのトップチーム、レイホール・レターマン・レーシングに移籍。意気揚々と迎えた初戦だったが、レースを戦うことはできなかった。

メリカがスポーツ大国であることは疑いがない。世界で最も儲かっており経営が健全なNFLをはじめ、日本ではなぜかあまり知られていないが凄まじい人気を誇る、NASCARやIRLといったカーレースがある。それに加えて、MLB、NBA、NHLなどのスポーツリーグや、カレッジフットボールにカレッジバスケでも全米が熱狂する。

もちろんテニスやゴルフやフィギュアスケートなど、他にも人気スポーツは多い。それでいて国内で競技人口が1番多い競技がサッカーで、その競技人口は世界一でもある。だが総人口はと言えば、日本のせいぜい2倍に過ぎない。

一見、それだけの収益的及び人的リソースがどこにあるのか不思議に思えるが、アメリカがこういったスポーツ大国である理由は、明らかである。このダナの事故で、また改めて考えさせられた。

々がスポーツを観る動機には色々あるだろう。だが、やはり主たる動機はプレイヤーの必死で懸命なパフォーマンス、そしてそれに付随する迫力、・・・そういったものを観ることにこそあるのではないか。アメリカのプロスポーツやカレッジスポーツには、これらが全て備わっている。

アメリカのモータースポーツはオーバルコースが中心だ。観客や視聴者が、常にほとんどトップスピードで走り続ける大迫力のレースを観る。死と隣り合わせの、必死なパフォーマンスだ。IRLだけではない。同じくフォーミュラカーが競うチャンプカー(CARTの後継)も、ストックカーが競うNASCARも、ほぼ全てのレースで大きなクラッシュが起こる、極めて危険なレースだ。

F1では、94年にアイルトン・セナが事故死して以降、死亡事故は起こっていない。だがその間アメリカでは、IRLで3人、CARTで4人、NASCARで7人が事故死している。CARTではアレックス・ザナルディが両足を切断する大事故を起こすなど(事故自体はドイツでのレースで起こった)、他にも大事故は数え切れない。

カーレースだけじゃない。NFLなんかでも、ほとんどの主力選手が毎試合、なにかしらの怪我をする。NFLが1週間に1度しかゲームがないのは、怪我の回復に時間が掛かるからでもあるのだ。スター選手や主力選手も、毎シーズンのように骨折やらハムストリングの怪我やら脳振盪やらで、チームを離脱する。各選手が、体を張った決死のパフォーマンスを見せるのだ。

(>>>次週に続く)



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