2006 / 11 / 26
  不公平な世界バレーの組み合わせ

くの皆さんが感じていることかも知れないが、日本で行われているワールドカップや世界選手権といったバレーボールの世界大会では、非常に偏った日程の大会が続いている。ありていに言えば、日本に有利な日程や組み合わせになっているのだ。

たとえば、1999年のワールドカップ(嵐が盛り上げた大会)、男女それぞれ、日本は他の11チームと以下のような順番で戦った(1回戦総当たり)。()内の数字は、最終順位である。

<男子>
カナダ(8)
韓国(7)
アルゼンチン(9)
スペイン(6)
キューバ(2)
アメリカ(4)
中国(11)
チュニジア(12)
イタリア(3)
ロシア(1)
ブラジル(5)
(日本の最終順位は10位)

<女子>
アルゼンチン(11)
アメリカ(9)
韓国(4)
イタリア(7)
ロシア(2)
クロアチア(8)
ペルー(10)
チュニジア(12)
キューバ(1)
中国(5)
ブラジル(3)
(日本の最終順位は6位)

続く2003年のワールドカップ(NEWSが盛り上げた大会)では、以下のとおりだ(同じく1回戦総当たり)。

<男子>
エジプト(12)
中国(10)
カナダ(7)
アメリカ(4)
セルビア・モンテネグロ(3)
ベネズエラ(8)
チュニジア(11)
韓国(6)
フランス(5)
イタリア(2)
ブラジル(1)
(日本の最終順位は9位)

<女子>
アルゼンチン(11)
エジプト(12)
韓国(9)
イタリア(4)
アメリカ(3)
トルコ(7)
ドミニカ(10)
ポーランド(8)
ブラジル(2)
キューバ(6)
中国(1)
(日本の最終順位は5位)

ご覧のとおり、実に奇妙に日程の「パターン」が一致しているのだ。いずれも、最初の3戦ほどはそれほど強くないチームと対戦が組まれ、その後2チームほど強豪と対戦し、また弱い相手が続く。そして最後は優勝候補の強豪と連戦で終わる。

最初の数戦は強豪と戦わないことにより、日本は最後まで上位争いに絡める。勢いもつくから、日本代表にとっても有利である。しかし、ずっと強豪と戦わないと盛り上がらないし、日程に人為的な操作があることも怪しまれる。だから中盤に2戦ほど強豪チームとの対戦を組む。そして、本当に強いチームとの対戦は最後に回す・・・。

・・・といった、人為的な臭いをついつい感じてしまう日程である。

年の世界選手権(世界バレー)は、実はもっと極端だ。まず女子をみてみよう。24チームが4つのグループに分けられた1次ラウンド、日本と同組(プールA)に入ったチームは、以下のとおりである(日本が対戦した順番に並べてある)。()内は、最終順位だ。

チャイニーズタイペイ(12)
コスタリカ(17位タイ)
ケニア(21位タイ)
韓国(13位タイ)
ポーランド(15位タイ)

最終順位決定戦に進んだ上位12チームのうち、1次ラウンドで日本と同組に入っていたのは、なんとギリギリ12位のチャイニーズタイペイだけ。ワールドグランプリの上位5チーム(ブラジル、ロシア、中国、イタリア、キューバ)は、全て日本と別組にされた。

これは幾ら贔屓目にみても、異常に偏った組み分けと言わざるを得ない。さらに言えば、このプールで日本を除いて世界ランクが上位の韓国、ポーランドといったチームとの対戦は、やはり最後に回されている。

しかも今回の世界バレーでは、1次ラウンドの成績を2次ラウンドに持ち越す形式だ。強豪がいない1次ラウンドで勝ち星を多く挙げたことが、日本に最後まで有利に働く規定なのである。

じく、現在行われている男子では、1次ラウンドで日本と同組(プールA)だったチームは、以下のとおりだ(こちらも、日本が対戦した順番に並べてある)。

エジプト
中国
プエルトリコ
アルゼンチン
ポーランド

こちらも、今年のワールドリーグでベスト6に入ったブラジル、フランス、ロシア、ブルガリア、セルビア・モンテネグロ、イタリアが、いずれも日本と同じプールにいない。なんとも露骨に思えることに、これら6つの強豪チームは、日本とは別組のプールB〜Dに2チームずつ入っている。

しかも、前回のワールドカップでそれぞれ初戦と2戦目を戦ったエジプト、中国というランク下位のチームと、日本は全く同じ順番で初戦と2戦目を戦っている。このプールの中で世界ランキングが上位の2チーム、アルゼンチンとポーランドは、やはり最後の2試合に回された。実に極端な組み合わせであり、日程的にも日本に有利である。

ちろんこの日程のおかげで、日本に終盤までメダルのチャンスが残るため、(日本人ばかりが注目している)この大会が盛り上がる。組み合わせや日程は抽選で決められているわけで、いまのところは、抽選が怪しいなどと言いたいわけでもない。

ただ大切なことは、スポーツで最も重要な要素は、「公平な運営」であるということだ。日本に極端に有利な日程ばかりが続くようでは、視聴率は取れるのかも知れないが、ある程度バレーを知っているファンには実に不公平で面白くない大会に映る。こんな大会ばかりでは、肝心の日本代表のレベルも、いつまで経っても上がらないことも明白である。

開催国の日本を優遇してグループ分けするのではなく、あくまで実力チームを公平に分散させるシード制を採用するようにして、公平な運営を心がけるべきであり、実に簡単な話である。だが、そんな当たり前の運営ができないところに、日本での視聴率に依存しているFIVBの苦悩が見えることは、以前も指摘したとおりなのだ。

    稲見純也 JunYa Inami


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