2007 / 01 / 23
  強い母親たちを、今年も応援したい

年の10月、ある驚愕のニュースが飛び込んできた。女子マラソンの世界記録保持者、イギリスのポーラ・ラドクリフ(32歳)が、ロンドンで10`のロードレースを43分で完走したのだ。妊娠6ヶ月の体で、である。

「レースとは思わずに、楽しくおしゃべりしながら、おなかの赤ちゃんが栄養をとれるようゆっくり」走って、このタイム(彼女のベストは30分21秒で、世界記録でもある)。つい先日、1月17日に娘を無事出産。夏には、世界陸上(大阪)に出場する予定だ。

日本の女子選手も世界で大活躍しているが、「ママさん選手」となると、圧倒的に海外勢に軍配が上がる(日本の慣習や少子化問題と無関係ではあるまい)。

トリン・ドーレ(ドイツ)、ワレンティナ・エゴロワ(ロシア)、イングリッド・クリスチャンセン(ノルウェー)といった並み居る名マラソン選手達は、全て母親ランナーだった。

女子バレーボールでキューバを五輪3連覇に導いた、ミレーヤ・ルイスも忘れてはならない。ゴムマリのようなジャンプから強烈なスパイクで他を圧倒した「世界のエース」だ。2000年のシドニー五輪で3度目の金メダルを獲ったとき、彼女の娘はもう14歳だった。まさに史上最強の「ママさんバレー」である。

他にも、陸上女子1万メートルで2個の五輪金メダルを獲得したデラルツ・ツル(エチオピア)や、走り幅跳び界の女王として君臨したハイケ・ドレクスラー(ドイツ)らも、母親になってから金メダルを獲っている。

アルペンスキーのウルリケ・マイヤー(オーストリア)も、妊娠3ヶ月で臨んだ1989年の世界選手権(スーパーG)で、初めて世界の頂点に立った。出産後も幾つものレースで、世界で誰より速くゴールで待つ娘のもとに滑り降りてきた。

方で、出産を機に一線を退く選手もやはり多い。最近では、冬季五輪で金3個を含む8個のメダルを獲得したスピードスケートの女王、グンダ・ニーマン・シュテルネマン(ドイツ)などが出産後に引退した。だが母親であることは、女性アスリートを加速する特別な力も、やはりあるように思えるのだ。

今後は、他ならぬ日本女子柔道の谷亮子にも期待を寄せたいところだし、言わずと知れた陸上のマリオン・ジョーンズや、ソフトボールのジェニー・フィンチ投手(ともにアメリカ)らも、現在注目のママさん選手。ちなみにフィンチ投手は旦那さんもメジャーリーグの投手で、息子に名付けた名前は「エース」君だ。

もちろん苦労は多いだろう。だが一方で新しい力も手に入れた彼女達の底力、子を持つ親の皆さんなら分かるのでは――。

    稲見純也 JunYa Inami

<この記事は、11月14日発売『週刊漫画サンデー』に掲載された内容から抜粋したものです>


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