2007 / 03 / 27
  希望入団枠の撤廃が「当然」だと言う「選手会」の矛盾

直なところ、どうにも納得できない。

日本プロ野球組織(NPB)がドラフトの希望入団枠の即時撤廃を決定しなかったことに対して、プロ野球選手会がとった態度、より具体的には、宮本慎也選手会長の言動である。

彼は、希望枠撤廃は当然、撤廃しないなんて球界のことを考えているとは思えない、即時撤廃しなければクライマックスシリーズのボイコットもある、とまくし立てている。

ずそもそも、希望入団枠を撤廃するのが「当然」と世論や関係者が口を揃えることに、強い違和感を覚える。悪いのは、まずは不正行為であるはずだ。制度そのものが悪いかどうかは、議論され尽くしているとは思えない。

いまのプロ野球は、人気選手のメジャー流出も、最も頭を抱えるべき大問題のひとつだ。そんな状況でFA短縮につながる希望入団枠撤廃を「当然の策」と決め付ける前に、選手獲得が自由競争でありながら悪質な裏金がないJリーグから学ぶ余裕があっても良いのではないか。

希望入団枠は維持すべきだと、私はここで主張したいわけではない。ただ、罰金、移籍選手獲得禁止、希望入団枠使用禁止…といった、違反球団に対する厳しい罰則を取り決めて施行することによって、制度はとりあえず維持しつつ不正な裏金の発生を防ぐ策だって、あるではないか。

は、そんな策をすっとばして、制度そのものを撤廃するしかないという論法になるのは、どうしてか。言うまでもなく、「裏金はずっと前からある普遍的なものであって、これからもなくなりそうもない」という認識からだろう。

だが、その認識が正しいならば、逆指名でヤクルトに入団した宮本選手会長を含む今の選手会の構成員のうち、相当の人間が、多額の裏金を受け取って希望の球団に入団してきたことになる。ならば、選手会にも、それなりに「言うべきこと」があるのではないのか。

NPBは、少なくとも西武球団は、形はどうあれ、自ら裏金譲渡の行動を表に出し、自浄しようと乗り出した。選手会にそういった行為がないということは、選手会は自らの構成員の過去の裏金行為を否定していると受け取らざるを得ない。

だとすれば、裏金は希望入団枠という制度にセットでついてくる普遍的なものではないことになる。ならば、希望球団枠を安易に撤廃する必要なんてないではないか。・・・つまり、選手会の態度や言動は、汚い矛盾に満ちてはいまいか。

金は、受け取る側も悪い。なのに選手会も、学生野球憲章が禁じているはずの奨学金授受が横行しているとも言われる高校野球連盟をはじめとするアマチュア球界も、NPB(の希望入団枠という制度)にばかり責任を押し付け、自らを自浄して正常化しようという態度が、全くない。

こんな状態で希望入団枠を撤廃したところで、球界のための「前進」になるとは到底思えないのだが――。

    稲見純也 JunYa Inami


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