2007 / 04 / 03
  スポーツ分析番組にもデータの捏造がある…かも

こ最近、テレビ番組における嘘の報道、データの捏造が話題になっている。嘘とは言わないまでも、どうにも首を傾げたくなる番組は、たしかに多い。

典型的な例は、どう見ても飛行機雲にしか見えない雲を「地震雲だ」と騒ぐ類だ。こういった番組では、「こんな雲が出た直後に大地震があった」ことは大興奮して紹介するのだが、「こんな雲が出た直後に大地震が起こらなかったことはない」ということは全く証明しない。因果関係立証の基本が、全くできていないのだ。

このような、一見科学的なようで実は非科学的な番組は、スポーツ番組にも多い。選手の体の動き、フォーメーションなどを、科学的に分析しようとする番組だ。もちろん参考になる分析は多いのだが、疑問の残る分析も、やはり非常に目立つ。

とえば以前、ある番組で女子ゴルフの宮里藍選手のスイングをコンピュータで分析し、「このような理にかなった腰の回転ができる選手は、宮里の他にはタイガー・ウッズしかいない」と声高に断言していた。これは、前述の地震雲の例と全く同じである。

宮里選手より実績も飛距離もあるゴルファーは世界にたくさんいるし、その全員が宮里選手より体格が勝っているわけでもない。他の全選手のデータなど持っていないクセに、「他にはタイガー・ウッズしかいない」だなんて、説得力のカケラもない。

他にも、こういった眉唾モノのスポーツ番組は枚挙にいとまが無い。圧巻は、某タレントらが深夜にやっているスポーツバラエティ番組で、’05年にバレーボール元日本代表の中田久美さんを特集したときだ。彼女が凄いセッターだったことを示す証拠として、現役時代の映像を解析し、「激しくスピンがかかったレシーブボールさえも、スパイクしやすいように回転を止めてトスしていた!」と、大興奮で絶賛したのだ。

…さすがに、これにズッコケたのは私だけではないハズだ。スピンしたボールも、軽く壁に当てるだけで、回転が止まって跳ね返る。つまり、スピンしているボールを、そのスピンを保ったまま誰かにトスするほうが、よっぽど神がかりの技術なのだ。Vリーグでも高校バレーでも、回転しているレシーブボールを、そのままの回転でアタッカーにトスできる超絶技巧テクを持つセッターなんて、見たことがない。

こんなことで中田久美さんを絶賛するなんて、失礼にも程がある。あくまで、「強烈な回転のかかったボールでも、正確な位置にトスできた」ことこそ、中田久美さんの凄かった点である。

ッカーでも、「左サイドの攻撃に強いフォーメーションですね」と大絶賛することは良くあるが、「じゃあ右サイドはどうなるの?」と訊きたくなる。この傾向はアメリカの方がむしろ強く、アメフトの解説者がフォーメーションの解説をするときも、片方のサイドの解説をほったらかしのことが多い。日米問わず、テレビ番組のスポーツ分析はしばしば、こんな簡単なことにすら触れないのである。

悲しい話だが、我々にできることは、「鵜呑みにしない」ということだけである。少なくとも、『あるある』を観てダイエットに失敗してきた皆さんなら、納得いただけることだろう。

    稲見純也 JunYa Inami

<この記事は、2月13日発売『週刊漫画サンデー』に掲載されたものです>


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