2007 / 04 / 23
  裏金より先に、つまらない不文律こそ一掃せよ

9日のヤクルト−横浜戦(神宮)で、2000試合出場のメモリアルとなったヤクルト・古田兼任監督が、審判に対する暴言で退場した。

ことの流れはこうである。横浜が11点リードして迎えた7回表2死一塁、一塁走者の代走・石川が二盗。大量にリードしているチームは盗塁しないという球界の「アンリトゥン・ロー(不文律)」に触れるこの行為に、古田が「何走っとんねん、こら、アホか!」と激昂。直後に遠藤投手が内川、村田と死球を当てたため、報復じゃないかともみ合いになった。そこで古田が暴言を吐いたということだ。

暴言を吐いたことなど、ここで問題には思わない。気持ちを高ぶらせ、生活賭けてプレーしているのだ、暴言くらい水に流したい。問題は、このつまらないアンリトゥン・ローに則って行われているプロ野球だ。裏金だ、何だと、「プロ野球は腐っている」などと頻繁に耳にする昨今だが、ハッキリ言ってこのアンリトゥン・ローに則って行われる野球ほど、腐りきったものはない。

東ヘッドコーチは、「あの戦術はない。牽制もしないし一塁手もベースから離れている。どこのチームにもないと思いますよ」とコメントした。

断っておくが、これは横浜のヘッドコーチが石川を弁護して、「牽制もしないし、一塁手もベースから離れているなんて、バカな戦術はありえない、あれでは盗塁するのは当たり前」と言ったのではない。ヤクルトのヘッドコーチが古田を弁護して、「牽制もしないし一塁手もベースから離れているのに、不文律を破って盗塁するなんて戦術はありえない」と言っているのだ。

牽制もしないし、ベースカバーもサボる。つまり、11点離されたというだけの理由で、もはや「真剣勝負をやっていない」のだ。こんな「馴れ合い野球」をお客様に見せておいて、「暗黙の了解を破りやがって」と激昂するプロフェッショナルなど、我々ファンの立場から言えば、退場させられて当然である。

11点差をつけられても最後まで諦めず、正々堂々と闘う姿勢を貫き、もう1点も追加点を許すまいと、一塁走者を一塁に釘付けにする――。そんなプロフェッショナルな野球人の姿勢はそこにない。しかも、伊東ヘッドの言葉を信じるならば、今のプロ野球には、そんなプロフェッショナルは「どこにもいない」のだ。

そんな茶番野球を見せることを良しとするくらいなら、NPBはコールドゲームを導入したほうが良い。点差が開いても、コールドゲームを避けようと必死な野球が、終盤でも観られるようになるだろうから。記録の問題とか、つまらない理由でコールドゲームはダメだと言うなら、点差がついた時点で若手選手にそっくり入れ替えて、事実上若手のオープン戦にしてしまえ。そのほうが、アピールしようと積極的に盗塁を試みる若手走者と、それを阻止しようとする若手捕手のつばぜりあいを楽しめる。

の種のアンリトゥン・ローは、ご存知のとおり、「死者に鞭を打たない」という、メジャーリーグに横行する暗黙のルール。点差をつけられただけで「死者」になって諦めてしまう、そんなチームの野球を、金を払って観ろという。日本プロ野球は、そんなくだらないメジャーのルールを取り入れなくてはならないほど、メジャーリーグの植民地になり下がったのか。

否だというなら、そんな腐りきったメジャーの野球など反面教師にして、プロ野球は常に真剣な戦いを見せる、プライドを持った野球人の戦いの場であり続けるべきだ。人気や注目度の低下が叫ばれるプロ野球だからこそ、そうするべきなのだ。いま、日本球界が一気に出さなければならない「膿」は、裏金だけではなさそうだ。

    稲見純也 JunYa Inami


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