2007 / 09 / 11
  プロ野球人気を取り戻すために大事なことは「スピードアップ」に決まってる

ロ野球中継が減り、残念に思っているファンの方も居ることだろう。視聴者がプロ野球中継から離れたことがその理由だが、このようにプロ野球が視聴者(あるいはTV局)から敬遠されている大きな要因に「ダラダラ感」があることは、間違いない。

昨季のプロ野球の平均試合時間は、セが3時間14分、パが3時間18分。では、そのうち「実際にプレーが行われている時間」はどれくらいなのか。計測は面倒だが、計算は簡単だ。

手が投球モーションに入ってから、ボールが捕手のミットに収まるかバットに当たるまで、ほぼ5秒。両チームの投手が合わせて300球投げるとすると、合計1500秒。25分である。

内野ゴロなど凡打の場合は、7秒もあればプレーが終わる。両チーム54個のアウトのうち、三振を除いて45回あるとすると、合計で315秒。5分強だ。

ヒットの場合は、特に走者が居ると、プレーに時間がかかる。といっても、せいぜい15秒だ。両チーム合わせて20安打としても、合計で300秒。約5分である。

ファウルボールの滞空時間も加算しよう。両チームの打席機会を75として、各打席1本ずつ滞空時間2秒のファウルを打ったとしても、計150秒で、2分半。

れらを全て足して、37分半。牽制球や挟殺プレー、その他を加えても、野球で実際にプレーが行われている時間は、1試合につき40分程度だろう。プロ野球は、この競技を3時間以上かけて行っている。意味があるプレーが行われている時間と、それ以外の時間の比率が、1:4にもなるのだ。これでは、さすがにダラダラ感は禁じえない。

プロ野球では、平均投球間隔が15秒、走者がいれば30秒かかる。牽制球を1球投げれば、さらに30秒だ。打者も些細なことで頻繁に打席を外し、ノロノロ歩き回る。これが高校野球だと、平均投球間隔が10秒、走者がいても15秒だ。牽制を挟んでも10秒しか遅延しない。作戦タイムさえ約30秒で終わる。今年の春の選抜高校野球大会では、平均試合時間はわずか2時間6分だった。プレー時間とそうでない時間との比は、ほぼ1:2に抑えられている。

つまり、時間短縮は、やればできるハズなのである。負ければ後がない一発勝負、今後の人生さえ一球一球に左右される高校野球で、プロ野球より圧倒的に早くゲームを進行しているのだから。

ロ野球だって、昔は早かった。王や長嶋の時代に比べ、今の試合時間は1時間近く長い。’80年代のビデオも少し調べてみたが、たとえば巨人の淡口憲治が守備中に怪我をしたとき、彼は足を引きずりながらも「駆け足」でレフトからベンチに退いていた。お客様を待たせない、そんな当たり前のプロ意識が、昔のプロ野球には確かにあったのだ。

たまたまチャンネルを合わせた高校野球に、つい見入ってしまう。川原の草野球にさえ、足を止めてしまう。展開が早いために、野球の面白さに引き込まれるからだ。野球観戦以外の娯楽が増えた今だからこそ、「スピードアップ」という最大のファンサービスが必要であるハズなのだが…。

    稲見純也 JunYa Inami

<この記事は、6月19日発売『週刊漫画サンデー』に掲載されたものです>


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