2007 / 10 / 29
  クジに守られてばかりのバレーボール日本代表

年に一度の、バレーボールW杯。フジテレビが中継し、ジャニーズ事務所の新ユニットがお披露目されるのが恒例だ(前回はNEWS、前々回は嵐、その前はV6)。今年も日本で、11月2日に開幕する。

バレーボールに興味があるんだかどうだか分からないアイドル芸能人が盛り上げることに批判もあるが、プロ野球の始球式や米NFLのハーフタイムショーなど、多かれ少なかれスポーツイベントとはそういうモノだ。文句は言うまい。そんなことより、問題視すべきではないかと思うことがある。

12チーム総当たりで行われるバレーボールW杯は、なぜか毎回、あたかも視聴者が盛り上がるよう工夫したような、日本に有利な作為的な日程になるのだ。

日本は序盤の数試合は格下と対戦。中盤の5戦目に難敵がちょこっと登場した後、また格下とのゲームが続く。そして最後の最後に、強豪国との連戦が残される。なぜか決まって、毎回そうなる。

最初のうちは日本が勝つから、順位も上位をキープし、盛り上がる。チームの勢いもつく。歯が立たないような強敵との対戦は基本的に後回しになっているから、優勝だのメダルだのの可能性を、メディアが終盤まで「引っ張る」ことができるのだ。

たとえば最近の女子をみてみよう。前々回の’99年大会では、開幕戦が格下のアルゼンチン。5戦目に強敵ロシアが登場し、キューバ、中国、ブラジルの3強は、最後の3連戦に回された。

前回の’03年大会も、またもアルゼンチンとのゲームで開幕。5戦目が強敵の米国で、最後の3連戦は、やっぱりブラジル、キューバ、中国だった。

お、5戦目に強豪が登場してくるのは、実は出場12チームをサイトAとサイトBとに分けて抽選しているからだ。日本と同じサイトに入った5チームが、まず日本と戦うのである。

この5チームのうち最も強いチームの対戦は最後にされるから、5戦目に強豪が登場するのだ。その後、もう一方のサイトに入った6チームと対戦していくワケだが、強いチームはやっぱり後回しになる。

これが、日本がいつも5戦目に強いチームと対戦し、残りの強豪との対戦が最後の最後に回される手続き的な理由である。

…まあいずれにしても、要するにこの抽選は原則的に「日本を中心に」考えられたものであることが明らか。その上、強いチームと日本との対戦はなぜか「後回し」になる露骨な抽選結果になるというワケだ。

本びいきな日程は、W杯だけではない。昨年日本で行われた世界選手権(世界バレー)の日程は、実はもっと強烈だった。24チームが4つのグループに分けられた1次ラウンドで、男子も女子も、日本と同組に強豪が全く入らなかったのである。

たとえば男子は、直前のワールドリーグでベスト6に入った世界の6強が、露骨にも日本と別組の3つのグループに2チームずつ振り分けられた。

しかもこの世界選手権、1次ラウンドの成績を2次ラウンドに持ち込む形式で、1次ラウンドのクジ運が最後まで影響するワケの分からない規定だったのだ…。

バレー人気が高い日本からの収益に依存し、いつも日本で大きな大会を行わざるを得ない国際バレーボール連盟は、「抽選に作為はない」と言うかも知れない。こんな日程で日本でばかり大会をやっていては、強い日本代表は育たないと思うのだが…。

て、今年のW杯の日程は? 去る10月2日、抽選が行われた。結果は……女子も男子も、ランクが下の相手と開幕戦(それぞれドミニカ共和国とチュニジア)。ともに5戦目でやっと難敵が登場し(女子はイタリア、男子はロシア)、残る強豪国との対戦は最後の最後の3連戦だ。女子も男子も、出場国中で世界ランクが最上位のブラジルとの対戦は、見事に最終日(第11戦)である。またかよ!

もう何大会も続けて、男女そろいもそろって、なんと見事なクジ運か。我々が見たいのは、クジ運の強さではなくバレーの強さなんですけど…。

    稲見純也 JunYa Inami

<この記事は、10月16日発売『週刊漫画サンデー』に掲載されたものです>


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